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【動画&議事録】都、重複障害児を過少報告 教員配置手厚い学級 減らす 参院文科委 山下議員が独自調査

2019年05月23日


photo 重い障害がある子どもの学ぶ権利が侵されている―。日本共産党の山下芳生議員は21日の参院文教科学委員会で、特別支援学校で教員が手厚く配置される重複障害児(二つ以上の障害がある児童)を、東京都が違法に少なく算定していることを独自の調査で告発しました。

 特別支援学校の小中学部は、障害が単一の場合は1学級6人、障害が複数の場合は「重複学級」として3人で編成します。2016年の中央教育審議会(文科相の諮問機関)の答申が重複障害者の割合が増加傾向にあると指摘しているにもかかわらず、重複学級の割合は年々減り続けています。

 山下氏は「6人と3人とでは学びの質が変わってくる」との教員の声を紹介しました。その上で、千葉県立と都立の肢体不自由校(小中学部)を比べると、知的障害を併有する児童の割合はどちらも約9割なのに、重複学級の児童の割合は千葉が約9割、都立は約3割だと指摘。知的障害を併有する児童が1167人(自立活動を主とする教育819人、知的障害を併有する子どものための教育348人)いるのに、都が文科省に重複障害児を594人と報告していることも明らかにさせました。

 山下氏は、より障害が重い子どもが転校してくると、いままで重複障害としていた子どもの認定を外すことまで現場では起きているとし、「障害の重い子どもから教員を引き揚げるなど絶対にあってはならない」と調査を迫りました。

 柴山昌彦文科相は「重複障害のある児童・生徒を単一障害と認定し、適切な指導や必要な支援が行われない場合があるとすれば問題」とし、文科省の丸山洋司審議官は「都に確認している」と述べました。

【動画】参議院文教科学委員会 2019年05月21日

最初は白須賀政務官の暴言について質疑です。 



【議事録】参議院文教科学委員会 2019年05月21日

○山下芳生君 
 今年は養護学校義務化四十年に当たります。養護学校の義務化というのは、それ以前は学校に通わなくてもよいとされていた障害の大変重い子供たち、移動や食事、排せつ、衣服の着脱に全面的な介護が必要、あるいは意思の疎通が大変困難、そんな子供たちに教育の光を当てる決意をし、そのための条件整備を行うということでありました。
 先日、障害の大変重い子供を教育されている先生からお話を伺いました。ある子供は入学時に医師から、この子は何も見えていないし何も聞こえていないと告げられたそうですけれども、先生の丁寧な関わりによって人への信頼を育み、変わっていった。一年、二年、三年と関わる中で、ついには、その先生が動くと見えないはずの視線が先生を追い、先生の声がすると笑顔を見せるようになった。この子見えているよ、この子聞こえているよと同僚教師と歓声を上げたという報告でありました。私はそういう話を伺って、子供たちの持つ力、教育の持つ力に深い感動を覚えました。
 まず、こうした障害の大変重い子供に対する国の基本姿勢を伺いたいと思います。
 一九七九年の養護学校義務化に向けて文部省初等中等教育局長宛てに出された報告書があります。一九七五年の特殊教育の改善に関する調査研究会、辻村泰男会長の重度・重複障害児に対する学校教育の在り方についてという報告書であります。そこでは、その者の障害がいかに重度であり重複している場合であろうとも、もとより教育基本法の掲げる目的、すなわち人格の完成という目的の達成を目指して行われるべきと述べて、特にこれらの学校の重度・重複障害児のための学級を増設するとともに、その施設、設備等の充実を図るものとすると述べております。
 このいわゆる辻村報告は、国にとって障害の大変重い子供たちの教育の出発点とも言うべきものだと考えますが、柴山大臣に伺います。その後、辻村報告を尊重する旨の政府答弁も行われていますが、その姿勢に現在も変わりはありませんね。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) はい。御指摘の報告については、昭和五十四年度からの養護学校教育の義務制について有識者会議において御検討をいただく中で発せられたものでありまして、重度・重複障害児に対する教育のための基本的な考え方が示されており、現在においても特段変わるものではないと考えており、重度・重複障害のある子供が障害の状態等に応じた適切な指導や必要な支援を受けられる環境を整えることが重要であると認識をしております。

○山下芳生君 今も変わらないという御答弁でした。
 この辻村報告が述べている重度・重複障害児のための学級というのは、現在の国の制度でいえば重複学級のことであります。重複学級というのは、障害が複数ある子供を対象とし、一学級三人の子供で編制されます。それ以外の子供たちは、義務制でいえば一学級六人の子供で編制されます。つまり、重複学級は、障害の大変重い子供たちに対する手厚い教員体制の根幹を成しております。そういう理解でいいでしょうか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 基本的に委員御指摘のとおりなんですけれども、公立特別支援学校の小学部、中学部の学級編制の標準については、知的障害や肢体不自由など障害の区分ごとに、単一障害学級は一学級の児童生徒は六人を上限として学級を編制するとともに、学年をまたぐいわゆる複式学級編制は行わないこととなっております。
 他方、重複障害学級は、一学級の児童生徒はおっしゃるとおり三人を上限として編制する代わりに、この学年をまたぐ複式学級編制を行うことを許しているということであります。この編制された学級数に応じて必要な教員の定数が算定されるというように承知をしております。

○山下芳生君 若干違いはあるものの、重複の障害のある障害の大変重い子供たちに対しては先生を手厚く配置するルールであるということは確認いたしました。
 では、その重度・重複障害の子供たちは増えているのか、減っているのか。資料一に、国の文書ではどう述べているかを付しました。
 二〇〇一年一月十五日の二十一世紀の特殊教育の在り方について、最終報告では、近年、盲・聾・養護学校においては、移動、食事、排せつ、衣服の着脱等に際して全面的に介助が必要になるなど、障害の重い者の割合が増しているほか、言語障害や情緒障害などを含む二つ以上の障害を併せ有する者の割合が増加していると述べております。
 二〇一六年十二月二十一日、中教審答申、幼小中高、特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策についてでは、重複障害者の割合も増加傾向にあり、例えば、他の障害に自閉症を併せ有する者や視覚と聴覚の障害を併せ有する者など、多様な障害の種類や状態に応じた指導や支援がより強く求められるようになっていると述べています。
 柴山大臣、重複障害者の割合が増加傾向にあるという認識、間違いありませんね。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 重複障害のある児童生徒の数、絶対数は、今御指摘になった増加傾向にあることは間違いありません。平成十年から平成三十年にかけて二万二千人ぐらいから二万五千人超ということで、増えているということでございます。
 ただ、その一方で、学校基本調査によれば、公立特別支援学校の重複障害学級の割合については、平成三十年度は四六・五%であって、平成十年度五三・二%と比べて率の上では減少しております。これは、重複障害学級の増加以上に単一障害学級が増加をしたために、全体の学級数に占める重複障害学級の割合が減少したということが考えられます。

○山下芳生君 今、次の質問に関わる御答弁だったんですが、資料二に、今大臣が言われたことをグラフにしております。
 公立の特別支援学校、小学部、中学部の学級総数に占める重複学級数の割合の推移でありますけれども、これは文科省が毎年発表している学校基本調査から作成した表とグラフです。今大臣がおっしゃったように、重複学級の割合は二〇〇七年の五一・八%から二〇一八年の四六・五%へと、この十年余り一貫して低下し続けております。先ほど確認したように、重複障害者の数、複数の障害を持つ子供さんの数はずっと増えていると。ところが、それを受け止める重複学級の割合は減り続けている。これ、おかしいんじゃないんですか。

○政府参考人 文部科学審議官(初等中等教育局担当)丸山洋司君 お答えをいたします。
 先ほど委員の方から御指摘をいただきました二〇〇一年、それから二〇一六年の中教審の答申等の中では、重複障害者の割合も増加傾向にあるというふうに述べられているわけでございまして、これが今御指摘のとおりのそういった傾向を示しているんだろうということでございます。
 ここにありますように、例えば二〇一六年の中教審答申では、例えば、他の障害に自閉症を併せ有する者や視覚と聴覚の障害を併せ有する者など、多様な障害の種類や状態に応じたということで、いわゆるそういった複数の障害を有している子供たちが増加をしているといったことは事実であろうと思います。
 一方で、学級数のお話がございましたけれども、学級数の算定におきましては、学級編制の教職員定数のいわゆる義務標準法におきましてこの重複学級における学級編制の基準が設けられているわけですけれども、特別支援学校において、学校教育法の施行令の第二十二条の三に掲げる障害を二つ、二以上併せ有する者ということでそういう重複学級の学級編制が行われるということになっているわけですが、いわゆる視覚、聴覚、肢体不自由、知的、そして病弱といういわゆる障害五種の中の二つの障害を有する者で編制をされる重複学級というものは減っているということでございます。

○山下芳生君 本当に細かいことを言うんですよね。今のは義務標準法の学校教育施行令ですかね。私も表を持っていますよ、さっき言った障害五種。この中に入らないものがあるから重複ではないというふうにカウントしたら減っちゃうんですという答弁なんですけどね。これ、精神科医に見せたら、いつまでこんな種類の区分けしているんだと、時代遅れだと言われていますよ。子供の実態から見れば、障害の重い子供が絶対数が増えているんだから、だったらそれに対応する重複学級は増えなければならないのに、こんな法律を盾にして減っていることを言い訳するなんて、私はけしからぬと言わなければなりません。
 そこまで言うなら、ちょっと私、それおかしいと言えないところが本当、おかしいと思うんですけどね。障害の大変重い子供に教員を手厚く配置して支援することがいかに大切か。私が実際に現場で頑張っておられる先生の話を聞きましたので、紹介します。
 子供三人で一学級となる重複学級だと、例えば先生が、ほら見てごらん、ウサギさんがいるねと、目の前で一人一人の子供たちに絵本を見せるんです、一人一人目の前で。ほら、ウサギさんがいるね、次の子に、ほら、ウサギさんがいるねと。何でこうするかというと、一人一人、その目の前に絵本を示さなければ視線で追うことができないからですよ。三人一遍に、ほら、ウサギさんがいるねと言っても追えない子供だから、一人一人にそういう対応をしているわけですね。でも、六人に一人の先生だと一人一人にそんな対応はできませんということでした。
 それからまた、バスケットにボールを入れてごらんという、こういう指導もやるんですけれども、やっぱり手を取りながら一緒にやってあげてバスケットにボールを入れることができる。三点取ったよと言って分かる子もいれば、三点というのはね、一つ、二つ、三つ、これが三点だよと教えてあげて分かってもらう子もいると。そういう働きかけを繰り返し繰り返し一人一人の子供さんにやっているわけですよ。障害の軽い子は二回やれば分かるけれども、重い子は十回やってバスケットボールを入れる手順が分かると。それ、分かってもらうまで、その間、ほかの子は待っているということなんですね。
 ですから、それぞれ別の働きかけが必要な子供たち六人を一人の先生で担当すると、これはどちらかにしわ寄せが行くというふうにおっしゃっていました。そういう配置をされた教員はとても苦労すると。その先生は、六人で学ぶか、三人で学ぶかによって、その子たちの学びの質が変わってくると言われました。物すごく大事な重い言葉、六人か三人かで学びの質が変わってくる。
 柴山大臣、こういう実態があることの御感想、そして障害の大変重い子供に教員を手厚く配置して支援することの大切さについて、法律に縛られるんじゃなくて、子供の実態と教育実践の到達に照らしてお答えください。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 確かに、今現場の実態について委員から御報告があったように、よりきめ細かな教育をするために手厚い算定を行うということが重要だということは事実でございます。
 それは、単一障害学級か重複障害学級であるかを問わず、特別支援学校は通常の小中学校よりやはり手厚い支援が必要になってくるということだと思いますので、学級ごとの担当教員のほかに児童生徒数や学級数に応じて教育相談担当教員や自立活動担当教員など、プラスアルファの必要な定数が算定される仕組みとなっておりますけれども、これは主として重複障害学級の児童生徒の教育相談や自立活動を支える観点から行われている取組であろうというように思っております。
 いずれにいたしましても、現場にしっかりと寄り添った形での適切な教員配置に極力できるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

○山下芳生君 私、今言いましたでしょう。単一の子供さんと重複の障害のある子供さんとでは全く働きかけの内容が違ってくるということなんですよ。どちらも障害があれば大変だろうと、そういう認識では駄目だと。そういう認識では駄目だということから、一九七五年のこの辻村報告が出て、どんなに重い障害を持っている子供さんでもちゃんと人格の形成をするような教育をしなければならないと言っているのに、一緒だろうという認識になったら、これ、本当に、もうさいころが振出しに、時計の針が戻っちゃうということになりますね。
 それから、先ほど大臣、自立活動担当教員、これは確かに加配はされます。しかし、これだって教室の数に応じて加配がされるんですよ。だから、重複学級が少なくなりますと、本来三人で学んでもらうべき教室をどんどんどんどん、そうしない状態が起こりますと、教室数が減るんですよ。だから、これはちゃんと複数の障害を持つ子供さんにふさわしく重複学級を設置していく、そうすることによって、この大臣が言われた加配だって増えていくという関係にあるんですね。
 私、ちょっと具体的に提案したいと思うんですけれども、東京都が肢体不自由校の重複学級の設置率が極めて低いということが、ちょっと私、気が付いたんですよ。肢体不自由校の場合、障害が複数ある子供がどれくらいいるかは、それぞれの子供たちがどんな教育課程を受けているかでおおよそ分かるんですね。資料三に配付をいたしました。
 これも現場の先生に教えていただいたことなんですけれども、肢体不自由校の生徒たちは、学習指導要領に基づいて三つの教育課程に分かれて学ぶことになっています。一番上の第一が、表の、学習指導要領に準ずる教育、準ずる教育と言われ、小学校や中学校と同じ検定教科書も使って学ぶ。この子たちには知的障害はありません、肢体不自由のみの子供たちです。第二が、知的障害を併せ有する子供たちのための教育でありまして、これ、読んで字のごとく、知的障害のある子供さんたちが学びます。私も見せていただきましたけれども、星印の付いた星本と言われる文部科学省作成の教材を使って学んでおられます。そして三つ目が、自立活動を主とする教育。これ、知的障害が更に重い子供たちがこういう課程で学ぶことになっております。
 この三つの教育課程で学ぶ子供の比率は、全国どこでも大体上から一対三対六ぐらいの割合になると言われております。そして、この知的障害を併せ有するという課程と自立活動を主とする課程の子供たちが、要するに肢体不自由に加えて知的障害を有する、重複障害の子供となるということで、肢体不自由校で学ぶ子供たちの約九割がこの重複障害に該当すると考えられます。
 資料四に、そういうことを頭に入れて、各県でどうなっているかを調べました。上の二本の帯グラフは、千葉県教育委員会に確認して作成した千葉県立の肢体不自由校の小中学部の子供の状態と所属する学級の割合であります。
 見ていただいたら分かるように、自立活動を主とする教育、三百八十四名、六九・九%、知的障害を併せ有する子供のための教育、百二十二名、二二・二%、小中学校に準ずる教育は四十三名、七・八%。ですから、この青色と水色を合わせますと約九割が重複障害ではないかと思われる子供さんたち。そして、どの学級に所属するかを千葉県教委に聞きますと、五百七名、九二・三%が重複学級で、一学級三人で手厚く編制するクラスで学んでいる。大体対応しているわけですよ。
 ところが、その下の東京都の肢体不自由校についても同じように都教委の資料に基づいて作成いたしましたが、八百十九名、自立活動を主とする教育、六四・八%、三百四十八名、知的障害を併せ有する子供のための教育、二七・六%、そして、小中学校に準ずる教育を受けているのは九十六名、七・六%と、大体この割合は一対三対六で変わらないんですが、ところが、所属する学級を見ますと、東京都はこの黄色いところ、重複学級は僅か四百十一名、三二・五%、九割の子供さんが重複障害児ではないかと思われるのに、三割の子供さんしか重複学級で学んでいないと。
 柴山大臣、この東京の肢体不自由校の重複学級の少なさ、異常だと思いませんか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 公立特別支援学校の小中学部における全学級数のうち、重複障害学級の占める割合は全国で、小学部は四七・三%、中学部は四五・一%となっておりまして、都道府県別の状況を見ると、例えば小学部では八府県が六〇%を超える一方で、十四都県は四〇%未満となっておりまして、都道府県によってその割合が異なっている状況であります。
 確かに東京都においては、小学部では三〇・五%、そして中学部では三〇・八%、ちょっと委員のお示しのデータと違いますけれども、いずれにせよ他の道府県と比べてもかなり低い状況となっておりますけれども、特別支援学校に在籍する児童生徒の状態は様々でありますので、東京都におけるこのような状況をもって問題があるかどうかということをちょっとにわかに判断をできない状況でございます。

○山下芳生君 では、別の角度から伺いますけれども、義務教育標準法に基づいて、毎年度、都道府県が文科省に提出する公立義務教育諸学校の教職員定数に関する報告書というものがあります。ここには、教育委員会が何人の子供が法令上の重複障害に当たるかを学校ごと、学年ごとに記入し、それに基づく標準学級数、標準教職員数を報告しております。
 これによって義務教育国庫負担金の最高限度額も決まるという大変重要な報告なんですが、確認しますけれども、ここで報告される重複児童生徒数は障害が複数ある子供をきちんと報告しないといけないと考えますが、間違いありませんか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 今御紹介をいただきました義務標準法施行規則における報告ということで、五月一日現在の教職員定数及び標準学級数に関する報告を求めることができるとされているんですけれども、文部科学省としては、この定数報告の一部として都道府県教育委員会に対して特別支援学校における重複障害のある児童生徒数の報告を求めており、本報告については都道府県教育委員会から正確な報告を受けているものと認識をしております。

○山下芳生君 正確な報告を受けていると認識しているということなんですけれども、では、東京都で平成三十年度の肢体不自由校、十八校東京にはありますけれども、何人の重複障害の子供が在籍していると報告されていますか。

○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 東京都の教育委員会からは、公立の肢体不自由の特別支援学校の小中学部には五百九十四人の重複障害の児童生徒が在籍していると、そういった報告を受けております。

○山下芳生君 五百九十四人。
 それで、先ほどのこの帯グラフをもう一回見ていただきたいんですけれども、この八百十九名というのは、これはもう極めて知的障害の重い自立活動を主とする教科書の使えない子供さんたちなんですよ。これ、肢体不自由にこういう重い知的障害が加わっている子供さんたちですが、少なく見積もってもこの青色の八百十九名の方は重複障害の子供たちだと考えるべきなんですが、ところが、今御報告があったように五百九十四人というようになっていると。これはちょっとおかしいのではないかと思いますけれども、法律上、法令上、重複障害の子供多くを重複と認定していないのではないか、東京都が。そういうことになっているんじゃないですか。

○政府参考人(丸山洋司君) お答えをいたします。
 文科省といたしましては、東京都教育委員会に対しまして、この重複障害のある児童生徒の報告を求めておりまして、委員御指摘のとおりでございますが、本報告については東京都教育委員会からの正確な報告を受けているという認識をしております。

○山下芳生君 だから、それ、おかしいんじゃないかと私は問題提起しているわけですね。これ少なく見積もってもこんなことはあり得ないですよ、いろいろ柔軟な対応をしたとしてもね。私は、重複障害児の多くが重複障害児と扱われていない、これはあってはならないことだと。そのことによって先生の配置が減っちゃうんですよね。
 聞きますと、東京都ではどんな重複障害の子供が現実にいても重複学級の数が始めから決まっていて、校長先生がこの現実を見てほしいと、重複学級をもっと増やしてほしいと幾ら言っても認められないというんですよ。
 ある先生から聞いた具体例は、重複学級を今年は他の学校に回すために、あなたの学校の重複学級数は一つ没収しますと言われたとか、あるいは、他校からより重い重複障害児が転入してきたところ、これまで重複障害児と認定されていた子供を重複から外すという、重複障害児の認定外しということも行われていますということを聞きました。
 大臣、これ法令違反じゃないですか。法律にのっとってきちんと重複障害とされるべき子供が、そうされていない疑いがあると思いますが、大臣、これ調査すべきじゃありませんか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 仮に教育上支障があるにもかかわらず、重複障害のある児童生徒を重複障害がない、単一障害であるというように認定して、適切な指導や必要な支援が行われない場合があるとすれば問題があるというように考えております。
 ただ、現時点においては、不正確な報告であるというような情報に接しておりませんので、調査を現時点においてはする予定等はありません。

○山下芳生君 じゃ、私がこれ提起したこの実態、今多分初めて、この数字はありません、どこにも。私、具体的に東京都教委に聞いて、私のところで計算して出したんですよ。これ初めてなんですよ、このギャップは。ですから、これは放置できませんよ。ちゃんと精査して、調査して、いや、大丈夫でしたという報告をいただけますか。

○政府参考人(丸山洋司君) 東京都教育委員会の方に我々も確認をいたしておりますけれども、本日委員の方から御指摘いただいたこの資料の員数につきましては、これは公立の、いわゆる東京都立の特別支援学校だけではなくて、区立の特別支援学校でありますとか、また分教室でありますとか、さらに訪問学級と言われるような、そういった学級に在籍している子供たちが含まれているんではないかというふうに思うわけでございます。

○山下芳生君 ちゃんと正面から受け止めるべきですよ。訪問学級の子供さんもいます。でも、それは私たちも全部カウントから外しています。それでこんなギャップがあるということが出てきているんですからね。
 委員長、私は東京都などで重複学級が異常に少ない問題、これはほかの県でもこうなっている場合があるんですね。文科省として調査し、当委員会に報告することを求めたいと思います。

○文教科学委員長(上野通子君) 後刻理事会で協議します。

○山下芳生君 次に、残りの時間、知的障害の特別支援学校で大きな問題になっている強度行動障害の子供への対応について質問したいと思います。厚生労働省、強度行動障害とは何か、簡潔に説明いただけますか。

○政府参考人 厚生労働省障害保健福祉部長 橋本泰宏君  強度行動障害につきまして、それ自体を法的に定義する規定というのはございませんけれども、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園で実施する強度行動障害支援者養成研修におきましては、自分の体をたたいたり、食べられないものを口に入れる、あるいは危険につながる飛び出し、こういった本人の健康を損ねるような行動ですとか、あるいは、他人をたたいたり、物を壊す、あるいは大泣きが何時間も続く、こういった周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動が著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態のことを指す、このようになっております。

○山下芳生君 資料五枚目に、厚労省の補助を受けて作った研修用のテキストを載せております。その下の事例一。十四歳になるAさんは重度の知的障害を伴う自閉症の診断を受けています。中学部から特別支援学校に入学し、すぐに不登校になりました。家では顔が変形するほどの自傷があり、左目はほとんど見えなくなってしまいました。最近は食事や水分摂取を拒否するようになり、夜間も興奮状態が続いて朝方まで眠ることはありません。御両親は自傷を防ぐために、交代で一晩中本人を抱きかかえながら過ごしています。止めようとするとかみつかれたり強くつねられたりするため、御両親とも体中傷だらけです。睡眠もまともに取れない日々が続き、家庭生活は破綻寸前の状態ですという事例です。
 私も、滋賀で同じような子供さんを持つお母さんの声を直接聞きましたけれども、そのお母さんの場合は、子供さんを夜中四時間ぐらい自分の車に乗せて地域を走っている、車の中に乗っかって動いていると落ち着くと。それ毎晩ですからね。大変な負担が御家庭に加えられているということなんですけれども、こういう子供たちが特別支援学校にも通っています。滋賀県のある先生は、本当に目が離せない、マンツーマンで付かざるを得ない、しかし、手厚い体制があれば信頼関係が形成され、行動が落ち着き、着実に成長できると述べておられました。こういう強度行動障害の子供が滋賀県だけで特別支援学校に百名ほどいるということでした。
 柴山大臣、こうした強度行動障害の子供の特徴、御存じでしたでしょうか。また、手厚い体制で支援すれば着実に成長するということについて、どう認識されているでしょうか。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 今御指摘のあった強度行動障害を始め、重い障害のある子供が障害の状態等に応じた適切な指導や必要な支援を受けられる環境を整えることが重要だと考えております。
 このような観点から、重い障害のある子供たちが在籍する特別支援学校においては、先ほども少し紹介をさせていただきましたけれども、学級ごとの担当教員のほかに、自立活動担当教員も配置をしております。また、看護師や理学療養士などの外部専門家の配置に係る経費の一部補助ですとか、特別支援学校における日常生活の介助など、障害のある児童生徒に必要な支援を行う介助職員などの配置のための地方交付税措置を行っているところでありまして、一人一人の障害の状態に応じた対応を行っていただけるよう、引き続き支援の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

○山下芳生君 一般論としてはそういうことなんでしょうけれども、厚労省、強度行動障害のある方への支援、どういうものを踏み切りましたか。

○政府参考人(橋本泰宏君) 強度行動障害の方は、自傷や異食、他害など、生活環境への著しい不適応行動を頻繁に示しますので支援が困難である、そういう一方で、適切な支援により状態の回復が見込まれるということでもございますので、専門的な支援を行う職員を養成するということが重要と考えております。
 このため、厚生労働省におきましては、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園におきまして、研修の指導者を養成するための研修、これを実施するとともに、都道府県に対しまして、適切な支援を行う職員の人材育成を目的とする基礎研修、それから適切な支援計画を作成することが可能な職員の育成を目的とする実践研修、この二つの研修の実施に必要な経費を補助することで事業所の職員の養成を推進いたしております。
 また、障害福祉サービス等報酬におきましては、各種の障害福祉サービスにおきまして、これらの研修を修了した職員を事業所に配置した場合ですとか、あるいは実際に事業所で支援を実施した場合に加算を算定することが可能な仕組みを設けておりまして、三十年の報酬改定におきましても、例えば生活介護に重度障害者支援加算を設ける……

○文教科学委員長(上野通子君) 簡潔にお願いします。

○政府参考人(橋本泰宏君) はい。
 といった取組を行っておりまして、こういった取組を通じて引き続き支援をさせていただきたいと思っております。

○委員長(上野通子君) 時間です。

○山下芳生君 時間参りました。
 厚労省ではそういうふうに昨年から踏み出したということで、強度行動障害という新しい概念が、大体知見も進んでおります。柴山大臣、この強度行動障害について実態をしっかり調査して、支援学校でこの子供さんたちがどういう状態にあり、そのためにどういう対応を教師の皆さんが御苦労されているか、必要な支援策がどういうものがあるのか、改めて調査し対応を検討する必要があると思いますが、最後に伺いたいと思います。

○文教科学委員長(上野通子君) 時間が来ております。大臣、簡潔にお願いします。

○文部科学大臣(柴山昌彦君) 重い障害のある子供たち、先ほどの複数障害も併せて、どういった子供たちに対してどういった教員配置などの対応が必要であるかということをしっかりとまた研究をしてまいりたいと考えております。

○山下芳生君 終わります。

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