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【動画&議事録】NHK 在職死減らず 働き方把握せよ 参議院総務委員会 2019年03月28日

2019年03月29日

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○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 NHK倫理・行動憲章は、「NHKは、公共放送として自主自律を堅持し、健全な民主主義の発展と文化の向上に役立つ、豊かで良い放送を行うことを使命としています。」と明記しています。上田会長も国会で、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する役割を担っていると答えておられます。
 私は、NHKが民主主義の発展と文化の向上に役立つためには、三つ大事なことがあるんじゃないかと思うんですね。一つは職場で一人一人が大切にされていること、二つ目に職場で多様な文化が認められ尊重されていること、三つ目に職場にうそを許さない真実を求める気風が満ちていること、これが求められると思いますけれども、この三点について、会長、いかがでしょうか。

○参考人(NHK会長 上田良一君) お答えいたします。
 今先生から御指摘があった点は、十分それを踏まえて公共放送としての役割を果たしていくべきというふうに考えます。

○山下芳生君 十分に踏まえてということでした。
 私は、一つ目に言った職場で一人一人が大切にされていることという点で忘れてならないのは、二〇一三年七月に長時間労働の末過労死されたNHK記者佐戸未和さん、享年三十一歳のことだと思います。今日はパネルを持ってまいりましたけれども、(資料提示)これ、過労死について取り組んでおられる弁護団の皆さんが作ったホームページから拝借をいたしました。写っているのが、NHKの記者として働きながら亡くなった佐戸未和さんであります。
 上田会長、若い将来性のある記者を過労死させてしまったことを、NHKはどう教訓として生かしていますか。

○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 佐戸未和さんの過労死を重く受け止め、二度と過労死を起こさないように、働き方改革を通じて全役職員一丸となってこの働き方改革に取り組んでおります。

○山下芳生君 私も、佐戸未和記者の過労死を当委員会や予算委員会で取り上げてきた者の一人として、彼女の死を風化させることなく教訓として生かさなければならないとの思いは強いものがあります。
 そこで、私自身の胸に彼女の死をより深く刻むために、先日、初めて佐戸未和さんの御両親宅を訪ねました。祭壇に未和さんの明るい笑顔の遺影がありまして、婚約者とハワイに行ったときの写真だそうですけれども、それが掲げられてありました。亡くなったときに未和さんが持っていた赤い携帯電話、それからハワイの写真に写っていた帽子が御遺骨とともに飾られていました。季節柄、真っ赤なイチゴのお供えもありました。お線香を上げて、手を合わせました。
 未和さんが亡くなった一年後に、NHKの職場の同僚が作ってくれた追悼写真集も見せていただきました。これなんですけれども、かなり職場の皆さんが、一年後ですから、割と思い出の新しいときに、未和さんのいろんな思い出の写真を載せて、お一人お一人が未和さんへの思いをこのようにつづった追悼集を作られて、それを私は見せていただきました。
 この未和さんが、ページをめくるたんびに仲間と一緒に写っているお姿が登場するんですけれども、屈託のない豊かな表情で、ぱあんと未和さんが一ページ一ページ飛び込んでまいります。いつも大体仲間の輪の真ん中に座っておられます。写真の前半は鹿児島時代の同僚らが寄せた言葉が載っているんですけれども、大変いい職場だったと、いい仲間たちだったということが分かります。若い記者仲間が互いに切磋琢磨しながら記者として成長し合う様子が伝わってまいりました。
 この写真集を私がこうじっと見ながら一ページ一ページめくっておりますと、お母様が横から、一つ一つの未和さんの写真を見ながらつぶやくんです。残念ですと、本当に明るい子だった、いつも笑っていた、ヒマワリのような子だった、食べることが大好きだった、ピアノを習ったらすぐ音をなぞり再現することができる、バレエを習ったらすぐマドンナになる、どうしたらそんな子供が育つのと周りのお母さんから聞かれた、髪の毛から吐く息までいいにおいがする、寝ている未和の体をなでていた、たった一度だけこのうちに泊まったことがある、富士山が見えるのねと言った未和の横顔も覚えているとつぶやかれました。未和さんへの愛情が次々あふれてくると。そして、お母様はぽつりとつぶやいたんです。一番の親孝行な子が一番親不孝になってしまった、我が子に先立たれるほど地獄はない、片腕をもぎ取られたよう、体全部もぎ取られるようだと。
 上田会長にお母様の御様子を伝える必要があると私はその場にいて思いましたので、紹介しました。御感想を伺いたいと思います。

○参考人(上田良一君) 私も、佐戸未和さんのお宅にはお邪魔いたしまして、線香を上げさせていただきましたし、お母様ともお話をさせていただきました。
 佐戸さんの過労死を防ぎ切れなかったということは痛恨の極みでありまして、大変重く受け止めております。勤務状況に応じた健康確保措置の実施や意識の面など、不十分なところがあったのではないかというふうに考えております。佐戸さんが亡くなられたことをきっかけに、記者の勤務制度を抜本的に見渡すなど働き方改革を進め、職員の健康確保に努めてまいりました。
 二度とこういった過労死を起こさないように、私も全力を投球して勤務管理や健康確保の強化、意識改革に今後も邁進してまいりたいと考えております。

○山下芳生君 私は、この写真集を一ページ一ページ見ながら、このページ全部終わって閉じられる頃に、横にいたお父様が語り始めました。NHKの内部で未和の死の真相が追求されているのか、事業場外みなし制度が悪かったと制度のせいにするが、本当にそれだけか、ほかに何かあるのではないのか、そう言われたんですね。お父様は、本当のことを知るために、未和のことを知る人を探して話を聞いているとおっしゃっていました。
 私、そのとおりだと思うんですね。未和さんが亡くなったのは、単に制度のせいではないと思います。なぜ、毎日二十五時あるいは二十七時、完徹などで働いている、あるいは、選挙の報道に携わっておられましたけれども、その二か月は毎月二百時間前後も残業している若い女性を誰も止めなかったのか。制度云々の前に、職場の仲間の労働者の命と健康は絶対に守るという思想が欠落していたのではないか。
 これらについて、職場で一緒に働いていた人たち一人一人が、とりわけ直接の上司が血の出るようなえぐり方をして、事実を明らかにして、NHKで働く人全体の教訓とできていないのではないか、そう感じるものがあるんですが、いかがでしょう。

○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 佐戸さんが亡くなられた当時は、タイムレコーダーや記者自身のシステムの入力により、勤務の始まりと終わりの時間を記録していました。しかし、勤務状況に応じた健康確保措置や健康管理に対する意識の面などで不十分なところがあったと受け止めております。
 現在、深夜・休日労働の事前申告、上司把握を徹底しているほか、外勤の多い記者の勤務を迅速、正確に把握するため、業務用スマートフォンで打刻できるシステムを試行的に運用いたしております。以前と比べますと、勤務管理や健康確保が強化され、意識改革も図られてきていると考えております。

○山下芳生君 不十分な面があったとおっしゃいました。あったから亡くなったんだと思いますよ。でも、どういう不十分な面があったのか、何がどう不十分だったのか、そこをえぐらなければ、幾ら制度を変えても、その魂が、えぐられていなかったら、制度を変えただけで私は命を守ることはできないと思うんですね。
 具体的に聞きます。事実関係聞きます。
 未和さんの婚約者は、亡くなった未和さんを見付ける前の日、実は婚約者が亡くなっている未和さんを発見されたんですが、その前の日に何度も電話やメールをしたのに連絡が取れないことから、職場、首都圏放送センター都庁クラブに問合せをしたのではありませんか。

○参考人(NHK理事 松坂千尋君) お答えいたします。
 今お話がありました方が佐戸さんと連絡が取れないというような電話をNHKの職員にしていたことは把握しております。また、佐戸さんが亡くなったと、亡くなっているという御連絡も、今の御指摘の方からありました。
 当時の都庁クラブの関係ですけれども、当時の都庁クラブの担当者などに話を聞いたんですが、御指摘のような問合せについては確認できなかったということです。

○山下芳生君 問合せについて確認できなかった。
 私が把握していることでいいますと、この婚約者の方が、亡くなる当日になったんですけれども、首都圏放送センター都庁クラブに電話をされたと。そしたら、対応された方、まあ特定はしませんけれども、ここでは、未和さんについては、電源が切れているのではないかとか挨拶回りに行っているんじゃないかという答えが返ってきたそうです。もうそのときには倒れられていたということなんですが、そういう対応だったと。
 もう一つ聞きます。
 未和さんは、亡くなって婚約者に見付かる前日に都庁の幹部にアポを取って会うことになっていたと聞いていますけれども、都庁から佐戸記者が来ないという連絡、問合せがあったんじゃないですか。

○参考人(松坂千尋君) 今の御指摘の点については確認できておりません。

○山下芳生君 私、今の確認できていないという言葉に、本当に、なぜ亡くなったのか、なぜ防げなかったのかがえぐられていないと。そういう事態があったら、もう日付を超えて何日も連続して働いている女性が予定どおりの行動をしていないということが分かったら、捜すでしょう、追求するでしょう。それを、異常を異常と感じない職場環境になっていたと。しかし、そのなぜそうなっていたのかを未和さんが亡くなった後検証していないというのは、これは許されないと思います。取り返しの付かない、過労死というあってはならない事態を起こしてしまったことの重大性を、口で言うだけではなくて、血肉とすることができているのか。
 会長に伺いますが、御両親は納得されておりません。なぜ未和さんを死なせてしまったのか。制度の問題だけでさらっと済ませたのでは同じことが繰り返されます。事実関係を今言った細部にわたって明らかにして御両親に報告するのは、私はNHKの当然の務めだと考えますが、いかがでしょうか。

○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 繰り返しになりますけれども、佐戸さんの過労死を防ぎ切れなかったということは痛恨の極みでありまして、大変重く受け止めております。勤務状況に応じた健康確保措置の実施や意識の面などで不十分なところがあったのではないかと考えております。
 佐戸さんが亡くなったことをきっかけに、記者の勤務制度を抜本的に見直すなど働き方改革を進め、職員の健康確保に努めてまいっております。御両親とお話ししたときもそうですけれども、二度とこういった過労死を起こさないように全力を尽くしてくださいと私に対するお話もありましたので、そのお言葉どおり、以前と比べると勤務管理や健康確保も強化され、意識改革も図られる、二度と過労死を起こさない、そういう働き方改革を全力を投じて進めているところであります。

○山下芳生君 やっぱり不十分の中身が伝わってきません。私が言っているのは、犯人を捜して罰するためではないんです。事実を踏まえて教訓化し、今後に生かすために真実を検証するというのはどうしても避けて通れない道だと思うからであります。
 未和さんの死が果たして教訓化できているのか。二〇一三年七月、未和さんが亡くなって以降、働き過ぎが原因で在職死はどうなっているか、同じく労災認定はどうなっているか、お答えください。

○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。
 佐戸記者が亡くなって以降、労基署から長時間労働による死亡や疾病で労災と認定されたことはございません。

○山下芳生君 在職死の人数は。

○参考人(松坂千尋君) 佐戸記者が亡くなられました二〇一三年度以降の在職中の死亡者の総数は五十三人であります。また、病気により休職した職員の総数は二百十八人であります。

○山下芳生君 減っていないんですね、数としてはね。
 で、今の数はNHKの職員ですね。請負などの協力会社などで働くスタッフは入っていますか。

○参考人(松坂千尋君) 今の数はNHKの職員であります。

○山下芳生君 NHKグループ働き方改革宣言には、「NHKグループは、業務に携わるすべての人の健康を最優先に考えます」とありますけれども、この業務に携わる全ての人には、本体、子会社、関連公益法人、関連会社に加え、協力会社や外部プロダクション、番組制作会社も入るという理解でいいですか。イエスかノーで。

○参考人(松坂千尋君) そのとおりであります。

○山下芳生君 私は、NHKで働いていた編集担当をされていた方が、二〇一二年、出張先で胸部大動脈不全で倒れ、昨年、佐戸さんのいた首都圏放送センターに来てしばらくした七月の初めに、今度は脳出血で倒れたと聞いております。契約は請負労働だったということですが、そのような方おられますね。今どうされていますか。

○参考人(松坂千尋君) 御指摘の点でございますけれども、NHKは御指摘の編集担当者が所属する会社と業務委託契約を結んでおりまして、勤務管理はその会社の下で行われていたと認識しております。御指摘の編集担当者が現在治療を受けていることは把握しておりますが、会社も違い、本人のプライバシーもあるため、詳細についての回答は差し控えさせていただきたいと思います。

○山下芳生君 詳細はいいんですけど、今の方は「NHK特集」だとか「NHKスペシャル」などの映像編集をされていた方です。もうプロなんですね。御家族の方は、障害認定されたが、勤務表、タイムカードがどうなっていたのか見たことがないとおっしゃっています。この方がどれだけ働いていたか、把握されていますか。

○参考人(松坂千尋君) その編集担当者が所属する会社とNHKは業務委託契約を結んでおりまして、勤務管理はその会社の下で行われていたというふうに認識しております。

○山下芳生君 つかんでいないということですね。協力会社で働く人も含めて全ての人を対象にした働き方改革といいながら、つかんでいないと。
 じゃ、そういう請負労働者の方も含めてどれほどの数働いていたか、掌握されていますか。

○参考人(松坂千尋君) 業務委託契約の関係になりますけれども、契約期間や従業者数は様々で、業務の遂行は業務委託先の業者に委ねられておりまして、NHKは指揮命令を行うことはできません。また、従事者の方はNHKの業務だけを行っているとも限りませんため、働く人の総数や勤務時間等の労働環境を詳細に把握することは困難であります。
 一方で、NHKグループ働き方改革宣言は、NHKとNHKの業務に携わる外部事業者などの従業者についても対象としております。従業者本人の健康状況などには可能な限り配慮するよう努めるとともに、業務委託先の方々に対しまして健康を最優先に業務を行うよう理解を促していきたいと考えております。

○山下芳生君 NHKだけじゃないかもしれないっておっしゃいますけど、今言ったような方は、「NHKスペシャル」、そういう番組があるたんびに呼ばれて一生懸命いい仕事をするんですよ。こういう方がいなければ、NHKのいい番組はできないんですよ。それをそんなふうに言うのはいかがなものかと思いますね。
 会長、こういう方が何人いるのか、どのような働き方をしているのかもつかんでもいない、これでどうやってNHKの業務に携わる全ての人の健康を最優先にできるんですか。

○参考人(松坂千尋君) 繰り返しになりますけれども、業務委託契約は、業務委託先の業者が勤務管理を行っておりまして、NHKは指揮命令を行うことができないことは御理解いただきたいというふうに思います。

○山下芳生君 それでどうやって健康を最優先できるんですか。できないですよ。私は、佐戸さんの死を教訓に本当にして、NHKの職場で労働者の命と健康を守り抜く体制、ルールができ、実践され、成果が出るなら、職人気質が根強い重層構造になっている放送業界の労働環境、ひいては日本社会の働くルールを変えられるかもしれないと、影響力多いからですね。しかし、それとは逆の方向に、真相究明に蓋をし、事実を明らかにしたい、真実を知りたいと行動する者を遠ざけるような雰囲気、暗黙の了解、圧力があるなら、社会に大きな負の影響を与えることになるだろうと思います。今NHKは、その岐路に立っていると思います。
 最後に会長、どっちの方向に進むのか、お聞かせください。

○参考人(上田良一君) お答えいたします。
 若く未来のある記者が亡くなったことは痛恨の極みであり、大変重く受け止めております。公共放送を共に支える大切な仲間を失うようなことは、決してあってはならないと考えております。命と健康を守ることを最優先として、NHKグループ働き方改革宣言の実現に私が先頭に立って取り組んでまいりたいと考えております。

○山下芳生君 終わります。

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